マイクマイクちゃん
イマジナリーフレンド、という言葉を知ったのはつい最近だ。
しかし私には幼い頃それがいた。らしい。
母親が可笑しそうにそれの話をする。
幼い頃の私が、2階の部屋で“マイクマイクちゃん”と遊んでいたことを報告するのだ、と。
母はそれの名前含め面白く思っていたそうだが、私は全く覚えていない。
“マイクマイクちゃん”の性別も容姿も。
そもそも人間の形をしていたのか、も。
最近仕事も恋愛も上手くいかず、孤独を感じることが多い。
そんなとき私のことをよく知る私ではない誰かに
ただただ側にいて欲しいと思う。
私だけをみて私のことだけを考えてくれる誰かに。
“マイクマイクちゃん”は私にとってどんな存在だったろう。
きっとそんな都合の良い存在ではないだろう。
なにしろ幼い頃の私が作り出した友達なのだから。
もっと、もっと素敵な存在だったはずだ。
もう一度会いたいなどと
ストレスが原因と思われる忌々しい顎ニキビが
私を感傷に浸らせる。