花といえばアガサ・クリスティの青いゼラニウムは小学生の頃何度も読み返したほど好きだった
花束を貰う度思いだすのは中山可穂の文庫本の後書き。
作品は覚えてないんだけど、花だけは贈ってくれるな、というインパクトのある文章で印象に残ってる。
(言葉が合ってるかわからないしそもそも私の記憶違いの可能性もあるけど)
何かの小説で何かしらの賞()を貰ったときにたくさんの人に花をいただいたそう。
花を貰うと嬉しいしパートナーも貰ったたくさんの花をそれぞれ生けてくれるという。
でも切り花はすぐに枯れてしまう。
そのことをただの事実として受け入れられたらいいのだろうけど、パートナーは花が枯れてしまうことをとても悲しむのだそう。
同じ時期に貰う花だから同じように枯れていく。たくさんの花が飾られた部屋はとても美しいだろうがその光景は僅かな時間しか楽しめない。
私でさえ、枯れてしまった花を処分する時とても申し訳ないような気持ちになるのだ。
感受性の高い彼女のパートナーはどんな気持ちだろうか。
こんな感じのあとがきだったのか、それともあとがきを読んだときの私の気持ちなのか、花を貰うと毎回こんなことを思いだす。
私の場合は花が枯れてしまうことを必要以上に悲しまないけれど憐れには思う。
私のもとに来なければもっと長生きできただろうに、と。
だから花は実家に飾ってあるくらいが丁度良い。
祖母や母は花を大切にするし、なにより枯れた花を自分で処理することも、処理されるところを見たこともないから。
…実家で綺麗な切り花の状態しか見たことがないっていうのは実はすごいことなのかね。
今回貰った花束はできるだけ長く楽しめるよう調べてみようかな。